こんにちは、TBMです。
「パチンコ屋店長が釘曲げで書類送検…」や「釘曲げでパチンコ店営業停止処分」の様なニュースが最近たまに見かけられるように、警察の生活安全課に変更承認の許可を取らずに釘を曲げる行為(釘調整)は違法行為です。
しかし、このようなニュースが流れても実際にはどのホールもいまだに釘調整はしております。
20年以上も前なら釘師と呼ばれる方がいたりして怪しい雰囲気もありましたが、現在は早ければ新卒入社2~3年目くらいの普通の方が叩いていたりするものです。
ちょっと導入部が固くなりましたが、今日はそんな「釘調整の是非」の話などではなく、釘調整に使う店長の7つ道具をご紹介するというライトなお話です。
ヘソを開けたり、フロックやワープを閉めたり、ワタリ釘を整えたりする釘調整は実際にどんな道具を使用しているのかを今日はご紹介します。
「1/100ミリ単位で調整!!」と聞くと何やらすごい事に聞こえますが、実際には簡単な道具を使用していますのでご覧ください。
※前回の記事はコチラ。

目次
釘調整メイン道具[ハンマー/角度・板・玉ゲージ/釘調整ドライバー]の価格
パチンコの釘調整道具はだいたい主任(マネージャー)くらいになったら取引先であるパチンコ備品会社から各自が自腹で購入するか、大手法人などでは社内稟議(会社経費)で購入してもらいます。
その時に揃えるのが基本的には[ハンマー/板・玉・角度ゲージ/釘調整ドライバー]この5つです。
パチンコ備品会社のカタログにはこれらがセット/個別販売で掲載されている感じですね。
価格にするとセット購入で2~3万円くらいはするので意外と高いですが、これらの道具を持つようになるとパチンコを生業にしている気がするようになるもんです。

釘調整[ハンマー/角度・板・玉ゲージ/釘調整ドライバー]の使用用途。
それでは5つのメイン道具の使用用途について。
・ハンマー
まぁ見たまんま釘を叩く道具です。
持ち手が細いのや太いの、素材がステンレスや真鍮など、デザインが施されているやつなど自分で好きな感じでカスタマイズ出来たりもします。
ハンマー先の形状を見れば「ちゃんと釘を叩けているな…」なんて事も分かったりします。
・板ゲージ
板ゲージは主にヘソ釘やワタリやカタグチ等のピッチを測る時に使用します。
数字が何やら書いてありますが、これが1/100ミリ単位で調整していると言われる所以です。
両サイドのゲージは11.0~12.0ミリ幅と12.0~13.0ミリ幅を0.1ミリすつ刻むゲージ、真ん中が見にくいですが11.0~15.0ミリ幅を0.25ミリずつ刻むゲージとなります。
長年使っていると釘と釘の間に入れたり抜いたりするのですり減っていきます。ですから、ある程度の周期で板ゲージなどのゲージ類は買い替えます。
この釘と釘の間(ピッチ)のキツサの感覚が人によってだいぶ違うので、複数人で釘を叩くとたまに揉めたりします。これはパチンコ業界人のあるあるかな。
・玉ゲージ
玉ゲージはワープ周辺やフロック(その他入賞口)のピッチを測る時に主に使います。
板ゲージよりも細かい調整(釘頭/釘根本部分に玉を当てるなど)によく使用しますが、釘頭の部分だけ意識すると釘根本部分で玉がかりするなど、知らないで使うと面倒くさい事になります。
玉のサイズは主に11.01~11.08ミリの幅で0.01ミリ刻みで用意されており、これがいわゆる1/100ミリ単位そのものになります。
釘に自信のある方はヘソ以外のピッチをすべてこの玉ゲージで測るなんて事もありますが、まぁワープやフロックでしかほぼ使いません。
先ほども言いましたが、玉ゲージで測る場合に釘間の手前/奥で測り方を失敗すると、ワープで玉がかりをしたり、風車上などでブドウと呼ばれる現象が起きたりします。
ホールではだいたい11.03~11.05の玉ゲージが使用されますね。
・角度ゲージ
こちらは盤面と釘の下面に当たるようにして釘の高さ(角度)を揃えたりする時に使用します。
今では盤面がアクリル板の機種が増え釘も最初からある程度綺麗ですが、昔は厚いベニヤ板で釘の打ち込みにムラがあったりが当たり前でしたので、この角度ゲージを使い綺麗にワタリ釘を揃えたりしていました。
コンサルタントなどが「釘は一律で〇度に揃えると稼働が上がる!!」なんて言い出したので業界的に「〇〇は3度ゲージがいい」や「いや、5度ゲージの方が稼働があがる」なんて論争が一部界隈で起きましたね。
角度ゲージにもいろいろ種類があってこの画像の様にアナログな道具もありますし、デジタルで角度を測れる機械道具などもあります。
ワタリは上記画像の連なった釘の部分の事で「連釘」などとも呼びますが、このワタリ釘の角度などがバラバラな台をホールで見つけると「ここの釘調整は下手クソだな~」なんて業界人は思ったりします。
が、そんな業界人でも実際にワタリ釘を綺麗に叩けたりする方は少数です。
・釘調整ドライバー
釘調整ドライバーという名称ですが、実際には釘を曲げる事に使用されています。
最近では使う人も少なくなってきていると思いますが、主にフロックやワープが甘かったりする機種やアタッカー回りなどで使用されます。
玉ゲージでギリギリをせめると玉がかりしてしまう、もしくは釘の根本が元々広い機種の場合などは、これを使って釘をグニッと直接曲げてフロックやワープに玉が通過しない様にするわけです。
昔の機種はフロックなどが5個戻しだったりしたので、どうしてもBY(その他ベース)が高くなる機種/台があり、その様な甘い機種(利益を取りづらい)にはこれを使う方が多かった印象です。
まぁ釘を曲げなくても調整釘がワープ/フロック周辺には必ずあるので、それをいじればイイんですが面倒くさがりな方が使っていたイメージですね。
【傾斜機について】パチンコ台はまっすぐではなく奥に傾いてます。
語呂のイイ「7つ道具」にする為に裏技を使ってしまいました。
実際には傾斜機なんぞは日々の釘調整には使いません。
この傾斜機はパチンコを島に設置する時に角度を付けて(奥にほんの少し倒した状態)設置する為に使用します。
このような設置を(ネカセ)と呼びますが、ネカセをする事でパチンコの盤面ガラスがパンパン鳴りにくかったり、ステージに行った玉の滞在時間が変わったりします。
ステージの滞在時間が長ければ(中心に寄りやすければ)、その分スタートが回りやすかったりしますので、昔の海物語などステージからのスタート入賞率の高い機種などでは、ある程度ネカセが重要視されていました。一発台なんかもそうですね。
最近のホールでは役職者も何となく「台の傾斜は3分5厘で!!」みたいな感じで設置していますが、あまり傾斜の意味を分かっていない事も多く、台の傾斜に関しては過去からの流れで設置している状況になっていますね。
ちなみに、玉が風車からワタリに行った時によく跳ねるのは[あまりネカセてないor釘調整が下手]のどちらかの場合が多いです。ホールによって同じ機種でも「なんか玉の動きが違うな~」と思ったりするのはここら辺が起因しています。
無理くりに揃えた「7つ道具」の最後はゲージ表になりますが、こちらは次回以降にご紹介したいと思います。

釘調整の道具話。本日のまとめ。
ちょっとしたタイトル詐欺ですがすみません。
「7つの道具」ほうが語呂が良かったのでつい。
さて、今日はパチンコで釘を叩く役職者が使う釘調整道具をご紹介しました。
画像は私が持っている道具を掲載しましたが(傾斜機は持ってません)、これらの道具は本当にいろんな種類があります。これらの調整道具を作っているメーカーも沢山ありますからね。
1/100ミリ単位の調整なんて言いますが、これらを使えば台の数値(データ)を揃えるくらいなら誰でも出来ますし、何年叩いていても正直下手な人はいつまでも下手です。性格が出る部分かもしれませんね。
昔はメーカーの営業マンが新装開店前日に釘を叩きに来たりしたもんですが、メーカーもコンプライアンスが厳しい時代です。そうなると釘は店舗の人間が叩くことになりますが、まぁ世間では色々言われる「釘調整の是非」の話になるわけです。
今後は法人がどのように店長や役職に指示するのかをより問われる事になるでしょう。
さて、次回以降では釘調整の中でも「新台を調整する際に使用するゲージ表について」や「どんな調整を日々するのか」などもご紹介しようと思います。
